ベトナムのお年玉文化は日本とちょっと違う?
お正月といえば、子どもにとっては楽しみで、大人にとってはちょっと(いや、かなり)大変なイベント――そう、「お年玉」です。
日本ではすっかり定着した文化で、金額や渡し方に悩んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。
実はこのお年玉文化、ベトナムにもあります。
ただし、日本とそっくり同じかというとそうではありません。
むしろ「似ているけれど、考え方は結構違う」というのが正直なところです。
今回はそんなベトナムのお年玉文化について、日本との違いを交えながら、わかりやすく紹介していきます。
ベトナムのお正月「テト」とお年玉の関係
ベトナムのお正月は「テト(Tết)」と呼ばれ旧暦で祝われます。
毎年日付は変わりますが1年の中で最も重要な祝日であり、家族が一堂に会する特別な期間です。
テトの時期になると街は一気に華やかになり、赤や黄色の飾りで溢れます。
この「赤」はベトナムでも幸運・繁栄・魔除けを象徴する色。
お年玉文化もこの縁起担ぎと深く結びついています。
ベトナムのお年玉は「リーシー(Lì xì)」
ベトナムのお年玉は「リーシー(Lì xì)」と呼ばれます。
赤い封筒にお金を入れて渡すのが基本で、見た目は中国の紅包(ホンバオ)にかなり近い印象です。
ここで大事なのは、
リーシーは“お金そのもの”より“縁起”を渡すもの
という考え方。
そのため、日本のように
「いくら包むべきか」
「学年ごとの相場はいくらか」
といった厳密なルールは、実はあまりありません。
金額は少なめ?それでも問題なし
日本のお年玉は、年齢が上がるにつれて金額も上がっていくのが一般的ですよね。
しかしベトナムでは、金額は比較的少額です。
・数万ドン
・日本円で言えば数百円程度
というケースも珍しくありません。
これは「ケチだから」ではなく、
“お金の多さ=愛情”ではない
という価値観があるからです。
リーシーは
「今年も元気でいられますように」
「勉強や仕事がうまくいきますように」
という祝福の気持ちが主役。
極端に言えば、金額よりも
- 赤い封筒に入っていること
- 笑顔で手渡されること
この2つの方が、はるかに重要なのです。
子どもだけじゃない?意外な受け取り手
日本ではお年玉は「子どもがもらうもの」という認識が強いですよね。
ところがベトナムでは、子ども以外もリーシーをもらうことがあります。
例えば
- 両親から未婚の子どもへ
- 上司から部下へ
- 年上の親戚から若い世代へ
年齢よりも
「立場」や「一年の区切り」
が重視されるのが特徴です。
そのため、大人になっても
「今年もリーシーをもらった」
ということが普通にあります。
渡す側は本当に大変?
日本では、お年玉シーズンになると
「今年はいくら用意しよう…」
「親戚が集まるのが怖い…」
という声もよく聞きます。
一方、ベトナムでは
- 少額でOK
- 金額差をあまり気にしない
という空気があるため、精神的な負担はやや軽めです。
ただし注意点もあります。
・封筒は必ず新しくてきれいなもの
・シワのない新札が望ましい
・投げるように渡すのはNG
金額よりも礼儀と気持ちが重要なので、そこを疎かにすると印象が悪くなることもあります。
日本のお年玉との一番の違い
日本とベトナムのお年玉文化の違いを、一言でまとめるならこうです。
- 日本:実用性・金額重視
- ベトナム:縁起・気持ち重視
どちらが良い・悪いではなく、
「何を大切にしているか」が違うだけ。
日本は現実的で、将来を見据えた文化。
ベトナムは精神的で、幸運を分かち合う文化。
背景にある価値観の違いが、お年玉という小さな習慣にもはっきり表れているのが面白いところです。
国際結婚・旅行で知っておきたいポイント
もしベトナム人の家族や知人とテトを過ごす機会があるなら、
「高額なお年玉を用意しなきゃ」と身構える必要はありません。
それよりも
- 赤い封筒を用意する
- 笑顔で新年の挨拶をする
- 相手の幸せを願う言葉を添える
この3点を意識するだけで、十分に気持ちは伝わります。
まとめ:お年玉は文化を映す鏡
ベトナムのお年玉文化は、日本と似ているようでいて、実は考え方が大きく異なります。
ポイントまとめ
- ベトナムのお年玉は「リーシー」と呼ばれる
- 金額よりも縁起と気持ちが重視される
- 子ども以外も受け取ることがある
- 赤い封筒と丁寧な渡し方が重要
- 日本とは価値観の違いがはっきり表れる文化
こうした違いを知ると、異文化理解が一気に身近になります。
お年玉という小さな習慣から見える、ベトナムの人々の価値観。
それを感じながら迎えるテトは、きっと特別なものになるはずです。

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