合皮 vs 本革 システム手帳を長く使うならどっち?
――コスパ・耐久性・手触りの観点から分析――
システム手帳を選ぶとき、誰もが一度は迷うのが「素材」です。
見た目が似ていても合皮(PUレザー)と本革では性質がまったく異なります。
どちらが「長く使える手帳」なのか、今回はコスパ・耐久性・手触りの3つの観点から比較してみましょう。
1. 合皮(PUレザー)とは?
まずは合皮について簡単におさらいです。
合皮は「ポリウレタン」や「PVC」などの樹脂を布地に貼り付けた人工素材。
見た目は革のように仕上げられ、最近では質感もかなりリアルになっています。
メリット
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価格が安い:本革の半分以下で買えるモデルが多い。
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軽くて扱いやすい:鞄に入れても重さを感じにくい。
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手入れが簡単:乾いた布でサッと拭くだけでOK。
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カラーバリエーションが豊富:鮮やかな色や加工も自由。
デメリット
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経年劣化が避けられない:数年で表面が剥がれたり、ベタついたりする。
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修理が難しい:破れたら基本的に買い替えになる。
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風合いが育たない:使い込むほどの“味”は出にくい。
つまり合皮は「短期間でデザインを楽しむ」には最適。
流行や気分で手帳を変えたい人に向いています。
2. 本革とは?
一方、本革は動物の皮をなめして作られた天然素材。
牛革・馬革・豚革・羊革などさまざまな種類がありますが、システム手帳では主に牛革が中心です。
メリット
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圧倒的な耐久性:適切に手入れすれば10年以上使用可能。
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経年変化(エイジング)が美しい:艶や色味が深まり、唯一無二の風合いに。
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修理やメンテナンスが可能:ステッチ直しや再塗装もできる。
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手触りが豊か:しっとり・さらさら・柔らかいなど、革ごとに個性あり。
デメリット
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価格が高い:国産フルグレインレザーなら3万円以上が相場。
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水・湿気に弱い:雨の日の取り扱いには注意。
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定期的な手入れが必要:クリーム塗布やブラッシングなどが欠かせない。
要するに本革は「育てていく」素材。
愛着を持って長く使うほど、その人らしい風合いに変化していきます。
3. コスパ比較:短期 vs 長期で考える
購入時の価格だけでなく、「どのくらい使えるか」まで含めて考えると印象が変わります。
| 比較項目 | 合皮 | 本革 |
|---|---|---|
| 初期価格 | 約3,000~10,000円 | 約20,000~60,000円 |
| 使用年数目安 | 2~4年 | 10年以上 |
| 年間コスト(目安) | 約2,000~3,000円 | 約2,000~4,000円 |
| メンテナンス費用 | ほぼ不要 | 年間1,000~2,000円程度(クリームなど) |
数字で見ると、本革は最初こそ高いですが、長期的にはコスパが良いとも言えます。
「5年以上同じ手帳を使いたい」なら、投資価値は十分あります。
逆に「飽き性」「いろんな色を試したい」タイプの人には、合皮が向いています。
毎年買い替えても負担が少なく、気軽にデザインを楽しめます。
4. 耐久性の差:経年変化をどう受け止めるか
耐久性を語るときにポイントになるのが「劣化」と「変化」の違いです。
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合皮:時間とともに劣化する(剥がれる・ひび割れる)
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本革:時間とともに変化する(艶が出る・色が深まる)
見た目の“変化”が楽しみになるか、それとも“古びて見える”と感じるか。
ここは人の感性によります。
また、ビジネス用途で毎日鞄に入れる場合、角の擦れが起きやすいのはどちらも同じです。
ただし、本革の方がリペア可能なぶん、長く現役を続けられます。
5. 手触り・使用感の違い
素材を選ぶ上で、手触りの違いは思っている以上に大切です。
毎日手に触れるものだからこそ、感触の好みがモチベーションに直結します。
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合皮:均一でなめらか。新品のときは美しく、冷たい質感。
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本革:しっとり、時に温もりを感じる。使うほど柔らかく馴染む。
また、香りも違います。
本革には独特の「革の匂い」があり、これを好む人は多いです。
一方、合皮は無臭〜わずかに化学的な香りがすることがあります。
この“触覚と嗅覚の満足度”は、毎日使う手帳では意外と重要。
本革はその点で「使う喜び」が長く続く素材です。
6. メンテナンスの手間と愛着の関係
合皮は手入れがほぼ不要。
それは確かに楽なのですが、同時に「愛着が湧きにくい」面もあります。
一方、本革はクリームを塗ったり、乾拭きしたりと少し手間がかかります。
しかしこの“ひと手間”があるからこそ、愛用品として育っていくのです。
革靴や腕時計と同じように、手入れの時間が持ち主との関係を深めます。
使うほど柔らかく、艶が増していく変化は、手帳を「ただの道具」から「相棒」に変えてくれるでしょう。
7. どんな人にどちらが向いている?
最後に、それぞれをおすすめしたいタイプをまとめてみます。
■合皮が向いている人
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手帳を軽く持ち歩きたい
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汚れや雨を気にせず使いたい
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カラーやデザイン重視
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2~3年で買い替えたい
■本革が向いている人
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一つの手帳を長く使いたい
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手入れや経年変化を楽しみたい
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上質な素材感を求める
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革製品が好き
特に、「仕事の相棒」としてシステム手帳を使うなら、本革の信頼感は大きな強みです。
見た目の落ち着きや手触りの深みは、持つ人の印象にもつながります。
8. まとめ:最終的に“どっちがいい”のか
結論として、「長く使う」ことを前提にするなら本革が優勢です。
多少高くても、5年・10年と使い続けるうちに、その価値を実感できるはず。
ただし、合皮の魅力も決して侮れません。
特に最近は高品質なPUレザーが増え、質感や耐久性も向上しています。
本革に手を出す前の“お試し”として使うのも賢い選択です。
9. 私の個人的おすすめ
私自身、最初は「安い合皮バインダー」から入りました。
しかし2年ほどで表面が剥がれ、思い切って本革に乗り換え。
今では毎日触れるたびに、少しずつ変わる艶を見るのが楽しみになっています。
システム手帳は“使うほど自分に馴染む”道具。
だからこそ、長く付き合いたいと思える素材を選ぶことが、
結果的にいちばんの「コスパ」になるのかもしれません。
まとめポイント
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短期間でデザインを楽しむなら「合皮」
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長く使い込みたいなら「本革」
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手入れの手間を「愛着」に変えられる人は、本革向き
あなたの手帳が、時間とともに味わいを増す“相棒”になりますように。

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