お気に入りのペンと手帳をどう合わせる?ペンホルダー徹底研究
お気に入りのペンと手帳。
どちらも“書く時間”を豊かにしてくれる相棒ですが、この2つをうまく組み合わせるのは意外と難しいものです。
「せっかくの高級ペンがホルダーに入らない」
「ペンの重みで手帳が開いてしまう」
――そんな経験、ありませんか?
今回は文具好きがつい悩んでしまう“ペンと手帳の相性問題”について、ペンホルダーを軸に徹底的に掘り下げてみます。
■ ペンホルダーの「サイズ」は思っているよりシビア
まず最初の壁が「軸径」。
ペンの太さによってホルダーにスッと入るものもあれば、まったく入らないものもあります。
たとえばLAMY2000やPILOTカスタム74のような太軸タイプは、内径13〜14mmのホルダーでもやや窮屈。
一方でジェットストリームやハイテックCのようなスリムなボールペンは、12mmでも余裕があります。
つまりペンホルダーを選ぶときは「手帳のサイズ」よりも、まず「愛用ペンの軸径」を基準に考えるべきなのです。
ペンの種類 | 軸径目安 | 適正ホルダー内径 |
---|---|---|
多色ボールペン(LAMY2000 など) | 約13〜14mm | 15mm前後 |
一般的なボールペン(ジェットストリーム等) | 約11〜12mm | 13mm前後 |
シャーペン・スリムペン | 約9〜10mm | 11mm前後 |
数ミリの差でも、抜き差しの快適さがまったく違います。
■ 長さとバランスも無視できない
もうひとつのポイントが「ペンの長さ」。
ペンが短すぎるとホルダーから引き抜きにくく、長すぎると手帳の端から飛び出してバッグに引っかかることも。
手帳を閉じたときにペンが「天面から1cm以内」に収まるのが、使いやすさと見た目のバランスのちょうどいいラインです。
たとえば、
-
ミニ6手帳:短めのペン(例:ロメオNo.3ミニ、カランダッシュ849)
-
バイブルサイズ:中型ペン(例:パーカー ジョッター、ジェットストリーム)
-
A5サイズ:長めのペン(例:LAMY2000、カスタム74)
手帳サイズによってもベストなペンの長さは変わります。
「いつも使うバッグに入れてどう収まるか」まで含めて見直すと、より快適に。
■ ペンホルダーの装着位置で“書き出しやすさ”が変わる
ペンホルダーがどこにあるかで、手帳の使い心地は大きく変わります。
ここは意外と見落とされがちです。
● 背面固定タイプ(バンド一体型)
手帳を閉じたときの見た目がスッキリ。
ただし、ペンを差すと背中が少し浮くため、厚みのある手帳では安定感が落ちることも。
→ おすすめ:持ち歩き重視、薄型手帳派
● サイド固定タイプ(リングと並行)
一番人気のタイプ。
開いたときにペンが邪魔にならず、取り出しやすい。
ただし、リング径が大きい場合はペン先が紙面に当たることも。
→ おすすめ:書き込み頻度が多い人、デスク使用が多い人
● デュアルホルダー(左右2本挿し)
万年筆とボールペンを使い分けたい派には理想形。
ただし厚みと重量が出るため、携帯性はやや犠牲になります。
→ おすすめ:複数ペン使い、書く楽しみ重視派
■ レザー or ゴム or 金具?素材選びの妙
ペンホルダーの素材も、実は使い勝手を大きく左右します。
-
レザー製:高級感があり、手帳全体の統一感が出る。
使うほどにペンの形に馴染む。
→ 欠点:新品時は硬く、太軸ペンが入りにくい。 -
ゴム製(エラスティック):どんな軸にも対応。
伸縮性が高く、軽量。
→ 欠点:経年劣化で緩みやすく、見た目はカジュアル寄り。 -
金具付きホルダー:着脱がしやすく、複数の手帳で使い回せる。
→ 欠点:金具が手に当たることもあり、ペンに傷がつく場合も。
使い込むほどに革が柔らかくなり、太軸ペンも自然に馴染んでいく感覚は、まさに文具好きの醍醐味です。
ただ、ゴムタイプの気軽さも捨てがたい。
「書く道具」と「運ぶ道具」をどう両立させたいかで選び方が変わります。
■ ペンホルダーを“後付け”するという選択
既製の手帳にホルダーが合わないなら、後付けという手もあります。
最近では、シール式・スライド式・バンド式など、多様な後付けホルダーが登場しています。
たとえば、
-
デルフォニックス「PEN HOLDER CLIP」:金具で挟むタイプ。手帳を傷めず取り外し簡単。
-
レイメイ藤井「シール式ホルダー」:好きな位置に貼れる自由度の高さ。
-
カンダミサコの革製ホルダー:デザイン性と質感を両立。手帳カバーの雰囲気を壊さない。
「既成のバランスに合わせる」のではなく、「自分の使い方に合わせてカスタムする」。
この発想がペンと手帳の関係をもっと楽しくしてくれます。
■ 結論:ペンと手帳の“相性”は、数字と感触の両方で決まる
ペンホルダー選びは単なるサイズ合わせではありません。
数字で測れる軸径・長さと、手に持ったときの感触や見た目の調和、その両方が揃って初めて「相性がいい」と言えるのです。
手帳を開いたとき、自然にそのペンを取りたくなる。
書き終えたあとに気持ちよくホルダーに戻せる。
そんな瞬間があるだけで、日々の予定管理や記録の時間がぐっと心地よくなります。
お気に入りのペンと手帳の“ベストマッチ”を探すのは、少し手間のかかる作業です。
けれど、その試行錯誤こそが文具の世界の面白さ。
ペンを挿す角度ひとつにまで、自分のこだわりを宿らせていく――そんな楽しみ方も悪くありません。
おまけ:筆記具別おすすめホルダーサイズ早見表
ペンの種類 | 代表モデル | 推奨ホルダー径 | 備考 |
---|---|---|---|
太軸万年筆 | LAMY2000 / カスタム74 | 15mm | 革ホルダーは慣らしが必要 |
中軸ボールペン | ジェットストリーム / サラサ | 13mm | 最も汎用的 |
細軸ペン | シャープペン / マルチペンミニ | 11mm | ゆとりをもたせると快適 |
ミニペン | ロメオNo.3ミニ / ポケットペン | 10〜11mm | ミニ6手帳に最適 |
書く時間を支えるのは、“書くための準備”。
ペンホルダーという小さなパーツひとつにも、自分らしいこだわりを詰め込んでみてください。
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