ベトナムの正月に食べる餅について
日本のお正月に欠かせない食べ物といえばやはり「餅」です。
焼いてそのまま食べたり、雑煮に入れたり、お汁粉にしたりと、家庭ごとにさまざまな食べ方があります。
餅は単なる食べ物ではなく「正月=餅」というほど、日本人にとっては文化そのものと言ってもいい存在でしょう。
実はベトナムにも、お正月(テト)に必ず食べられる“餅”があります。
ただしその姿や味、作り方は日本の餅とは少し、いやかなり違っています。
その代表的なものが
バインチュン(Bánh chưng) と バインテット(Bánh tét) です。
今回はベトナムの正月料理として欠かせないこの2種類の餅と、我が家で毎年食べているバインテットについて紹介します。
ベトナムの正月「テト」と餅の関係
ベトナムのお正月は「テト(Tết)」と呼ばれ、日本の正月以上に家族や伝統を大切にする行事です。
先祖を敬い、家族が集まり、特別な料理を囲んで新年を迎えます。
そのテトの食卓に必ず並ぶのが、バインチュンとバインテット。
これらは単なる正月料理ではなく、「豊作」「家族」「感謝」といった意味が込められた縁起物でもあります。
バインチュン(Bánh chưng)とは?
バインチュンは、四角い形をした餅です。
主にベトナム北部で食べられており、形は「大地(四角)」を表していると言われています。
主な材料
- もち米
- 緑豆
- 豚肉
- バナナの葉(またはドンの葉)
これらを何層にも重ね、葉でしっかり包んだあと、半日以上かけて煮込むという、かなり手間のかかる料理です。
味付けは控えめで、素材の味を楽しむのが特徴。
日本の餅のように甘くもなく、焼いて膨らむこともありません。
バインテット(Bánh tét)とは?
一方、バインテットは円筒形をした餅で、主にベトナム中部から南部で食べられています。
我が家ではこちらが定番です。
というのも、妻が フエ 生まれで、中部の文化に親しんでいるからです。
見た目は日本の「ちまき」にかなり近く、輪切りにして食べるのが一般的。
中身や味付けはバインチュンとほぼ同じですが、地域によっては甘い具(バナナや豆)が入ることもあります。
我が家の年末恒例、バインテット作り
結婚してから年末になると妻がバインテットを作ります。
日本のおせち作りに近い感覚で、「正月前の大仕事」といった雰囲気です。
バインテットの基本的な作り方
- もち米を洗い、水に浸す
- 緑豆を柔らかくして下準備
- 豚肉を塩や胡椒で炒める
- バナナの葉を広げ、もち米→具材→もち米の順に重ねる
- しっかり巻いて紐で縛る
- 大鍋で何時間も煮込む
作っている最中、キッチン中にバナナの葉の香りが広がり、「ああ、年末だな」と実感します。
餅というより「おこわ」や「ちまき」
日本語で「餅」と聞いて想像するものとは違い、
バインテットは食感的にはおこわやちまきにかなり近いです。
- もち米は潰されていない
- 弾力はあるが、粘りすぎない
- 具材と一体になっている
もち米自体にはほとんど味がありませんが、
バナナの葉の香りと、中の豚肉の旨みがしっかり染み込んでいます。
日本人にも意外と合う味
初めて食べたとき、正直「もっとクセがあるのでは?」と思っていました。
でも実際はとても素朴で日本人にも食べやすい味です。
我が家では、
- そのまま食べる
- 少しだけ醤油をつける
この2パターンが定番。
特に醤油との相性は抜群で、「あ、日本人向けだな」と感じます。
結婚してからの新しい正月の定番
結婚してからは毎年正月になるとバインテットが食卓に並びます。
日本の正月料理とベトナムの正月料理が混ざった、少し不思議で、でもとても楽しい食卓です。
文化は違っても「家族で同じものを食べて新年を迎える」という本質は同じ。
そう考えると餅という存在は国を超えて、正月に欠かせないものなのかもしれません。
まとめ(重要ポイント)
- ベトナムにも正月に食べる「餅」がある
- 北部は四角いバインチュン、中部・南部は円筒形のバインテット
- 食感は餅というより「おこわ」「ちまき」に近い
- バナナの葉の香りと豚肉の旨みが特徴
- 日本人なら醤油をつけても美味しい
- 結婚をきっかけに新しい正月の定番料理になることもある


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